Free高温対策、水管理など基本徹底を 青森県が24年産米の栽培指導研修会

高温障害への対応策などを学んだ研修会=31日、青森市
高温障害への対応策などを学んだ研修会=31日、青森市

青森県は31日、青森市で県産米「はれわたり」と「青天の霹靂(へきれき)」の2024年産の生産に向けた指導者対象の研修会を開いた。夏場の猛暑で全国的に高温障害が発生する中、安定した収量と品質を確保した生産者の事例を参考に、土づくりや水管理、肥培管理など基本技術を徹底する重要性について確認した。

 県民局や農協の担当者ら約50人が参加。県や県産業技術センター農林総合研究所の担当者が、23年産の生育状況と高温被害、24年産の栽培管理の注意点を説明した。

 県によると23年産は好天に恵まれ、指導拠点のはれわたりはもみ数や登熟歩合が好調で、県南地方の収量は目標の580キロを上回る636キロ。津軽地方では高温障害による等級低下があったが、県南では適切な栽培管理もあり、全8地点が1等だった。

 24年産に向けては、育苗時の水温を10度以上に保つことや、穂数の確保、窒素施肥量の増加に伴う倒伏への注意、適期刈り取りの徹底を求めた。

 農林総研の高温障害の分析では、登熟期の高温で玄米の充実が例年より劣り、皮厚や充実不足などの「その他未熟粒」が全品種で多く発生。次いで、はれわたりは登熟期の窒素不足による「基部未熟粒」、まっしぐらでは刈り遅れによる「乳白粒」が多かった。

 県は優良20事例を分析。稲わらのすき込みや耕起深の確保などの地力向上、水田の水温上昇を防ぐためのかけ流し、生育状況を見極めた施肥方法や量の調整などを栽培ポイントとし、指導の徹底を呼びかけた。

 
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