Free宝来食堂(八戸)が閉店 惜しむ常連客/半世紀の歴史、変わらぬ低価格で人気

閉店を伝えるメッセージが張り出された「宝来食堂」。50年の歴史に幕を閉じた
閉店を伝えるメッセージが張り出された「宝来食堂」。50年の歴史に幕を閉じた

中華そば200円、カレーライス300円―。1970(昭和45)年の創業から値上げせず、変わらぬ価格で常連客のおなかを満たしてきた、八戸市廿六日町の「宝来食堂」が9日、閉店した。店主板橋光子さん(78)が高齢のため。近隣住民のみならず、多くの学生や会社員も足しげく通った“庶民派食堂”が、半世紀の歴史に幕を下ろした。

 宝来食堂は、同市鳥屋部町にあった店舗を、軽米町出身の板橋さんが引き継ぎ、83(昭和58)年に廿六日町に移転。透き通った黄金色のスープの中華そばや、昔ながらのカレーライスが看板メニューで、お昼時には店内が連日満員になるほどの人気店だった。

 板橋さんの四女で、4年ほど前まで店を手伝っていた渡邉たみ子さん(40)によると、店は2日まで営業していたが、板橋さんの体調が思わしくなく、9日に閉店する旨の張り紙を入り口に掲示した。

 渡邉さんは「母がスープを作る鍋を持ち上げられなくなってしまった。急なことで、お客さんにあいさつできなかったことが心残り」と話す。

 近くの印刷会社に勤める細越達也さん(51)と下舘秀寿さん(51)は、ほぼ毎日のように食堂に通った常連。下舘さんは「9月後半から休みの日が増えて心配していた。いきなり閉店はさみしい」、細越さんは「前もって教えてくれれば、感謝の気持ちも伝えられたのに…」と寂しげだ。

 細越さんは高校卒業後、同社に就職して以来、31年間お世話になった店主に向けて「いつも350円の定食でおなかいっぱいにさせてくれた上、カレールーとみそ汁はお代わりし放題だった。私の体は宝来食堂でできています」と感謝した。