Free【Dashセレクション】東北フリーブレイズ大久保監督インタビュー/若手への世代交代で「転換」を

大久保智仁監督
大久保智仁監督

アイスホッケーの東北フリーブレイズが2020~21年シーズンを迎える。新型コロナウイルス感染症の影響でアジアリーグは中止となったが、10月開幕の国内5チームによる代替のリーグ戦で装いも新たにスタートを切る。新監督となった大久保智仁氏に意気込みなどを聞いた。
 (10日発行の月刊スポーツマガジン「Dash」からインタビュー記事をセレクトしました。明日22日は人里茂樹主将のインタビューを配信します)

 ―監督を引き受けた経緯は。

 引退後もコーチとして面倒を見ていただいたチームに恩を感じていた。ここ数年は厳しい成績が続き、責任も痛感していたので、チームがまた変われるよう、自分自身も挑戦したい思いがあったので引き受けた。
 前任者がつくり上げてきた「ハードに戦う」「走り負けない」「妥協しない」という姿勢は引き継ぎたい。同時に、コーチとして、選手個々がもっとチャレンジしてもいいのではないか―ということは感じていた。個々の選手がミスを恐れずに挑戦し、失敗しても次のプレーに生かしてもらえれば、それはそれで構わない。

 ―昨季を振り返り、チャレンジが足りなかった部分は。

 結果論だが、アジアリーグのGKのレベルが上がり、簡単なシュートは決まらない現状がある。パックを動かしながら揺さぶるとかしないと、シュートを決めることはできない。自分たちはそのスキルが他チームよりも一枚落ちているのかもしれない。
 やり続けることが精度の向上につながる。たとえカットされたとしても、意図してゴールを目指すためのプレーならば指摘するつもりはない。挑戦なくして成長はない。

 ―今季のテーマに掲げた「転換」とは。

 田中豪、篠原亨太ら日本代表経験のあるベテランたちも30代後半に差し掛かり、若手への世代交代をそれぞれ考えていると思う。その中で、ベテラン勢のアドバイスを受けながら、セットの組み方なども考えたい。若手はベテランから吸収できる部分をしっかり受け継いでほしい。

 ―ベテランから受け継いでほしいことは。

 攻撃はセンスが占める割合が多いが、守りは経験で吸収していく部分が大きい。例えば篠原は上背はないが、シュートブロックのうまさではアジアリーグ1だと思っている。それは、彼がアジアリーグで生き残るために、タイミングや位置取りなど、経験を踏んで身に付けてきたもの。そんなところを若手には見習ってほしい。ベテランに限らず、気付いたことはどんどん言い合える関係であってほしい。

 ―人里茂樹新主将への期待を。

 昨季までの田中豪はつらい練習も淡々とこなし、口数が少なくても背中で示す主将だった。ただ、それは田中であって、極端な言い方をすれば、よくしゃべる主将、おちゃらける主将がいてもいい。
 これまで多くのチームの主将を見てきたが、共通しているのは、メンバーから認められている―ということ。そこは人里にも意識するよう伝えている。元々一生懸命な選手なので期待している。

 ―新たなリンクで新シーズンを迎える。

 国内で一番新しく、客席とリンクの距離も近い。臨場感のあるゲームを楽しんでいただけると思う。ただ、そこには勝利への期待があってこそ。見ていて、勝っても元気がないよりは、負けても選手が生き生きしている方が、「また見に来よう」と思ってもらえるはずだ。そんなチーム、試合を目指す。

 ―コロナ禍で、今季は国内5チームでのリーグ戦となる。

 当初はシーズンのスタートすら危ぶまれたが、日本のチームだけでもアイスホッケーの火を消さずに試合ができるのは幸せなこと。開幕から逆算しながら、システムの練習を重ねるなど、連係強化に努めていく。


 おおくぼ・ともひと 1976年9月生まれ。北海道苫小牧市出身。駒大苫小牧高、東洋大を経て、日本リーグの西武鉄道(当時)に入団。その後、西武プリンスラビッツ(当時)、日光アイスバックスなどを経て、2012年、東北フリーブレイズに加入し、1季プレー。引退後はコーチを務め、今季、監督に就任した。

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