Free南部御城印ネット転売横行、5倍以上の値段で取引も/関係者対応苦慮

青森、岩手両県の各地で販売されている御城印。転売が禁止されているものの、ネット上で流通する
青森、岩手両県の各地で販売されている御城印。転売が禁止されているものの、ネット上で流通する

南部氏ゆかりの城跡や城郭のある青森、岩手両県の11自治体が「南部御城印プロジェクト」として販売する、御城印の転売がインターネット上で横行している。御城印は本来、1枚300円で、転売が禁止されているが、5倍以上の値段で取引されている例もあり、関係者が対応に頭を悩ませている。
 同プロジェクトは昨年7月にスタート。八戸市や近隣の計7自治体が、それぞれオリジナルの御城印を作成し、各城跡などで販売に取り組んできた。今年8月からは七戸町など計4自治体も参加している。
 八戸市博物館によると、昨年の販売開始当初から転売は確認されており、1枚1千~2千円で売買され、中には数枚がセットで1万円ほどの高値のものもあった。主に、フリマアプリ「メルカリ」や、オークションサイトなどで取引されているという。
 第2弾として加わった七戸町などの御城印も、発売から1カ月立たずに転売が確認された。同町の担当者は「複数枚買っていく人がいると転売目的なのかと疑わしくなるが、知人への土産用と言われるとそれまで。口頭で転売禁止と伝えても限界がある」と話す。
 対策として、御城印に日付を入れる欄を設けたり、枚数制限をしたりしているが、転売は止まらないという。全国でも同様に御城印の転売は見られるが、新しく加わった御城印はまだ流通量が少なく、値段が落ちにくいという事情も、転売が横行する理由になっているという。
 同博物館の船場昌子学芸員は「各城跡を訪れた証しとして直接買ってもらうのが御城印のコンセプト。限定品ではないので、ネットで買わず直接手に入れてもらいたい」と話す。
青森、岩手両県の各地で販売されている御城印。転売が禁止されているものの、ネット上で流通する

 
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