Free故人に思いはせ 八戸・浮木寺で「墓獅子」

祖先を悼むため、墓前で披露された墓獅子=14日午後1時15分すぎ、八戸市の浮木寺
祖先を悼むため、墓前で披露された墓獅子=14日午後1時15分すぎ、八戸市の浮木寺

八戸市鮫町にある浮木寺の墓地で14日、鮫神楽連中による、江戸時代から続く伝統の「墓獅子」が披露された。悲しげなお囃子(はやし)が響く中、墓参りに訪れた人々は手を合わせ、先祖を供養した。15日も行われる。
 鮫神楽保存会によると、今年は感染症拡大の影響で帰省する人が少なく、依頼件数も少ないという。
 お囃子にあわせて、獅子頭は水を飲むなど供物を手向けられた死者を表す。一方「恋しき人を来て見れば 見るよりはやくしぼる袖かな」の節に合わせ、幕で顔を覆い、生者が泣く姿を表現。両者の交流が描かれ、歌の最後には死者が成仏し、供養が果たされる。
 父が眠る墓に訪れた、同市白銀町の丹波雅昭さん(55)は「父の新盆で初めて墓獅子を頼んだ。芸能が好きだった父に思いが届けば」と穏やかに語った。
祖先を悼むため、墓前で披露された墓獅子=14日午後1時15分すぎ、八戸市の浮木寺

 
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