Free「A!Premium」輸送実績3549個、2年連続で減少/青森県2019年度

青森県は24日、県とヤマト運輸(東京)が共同で展開する生鮮品の物流サービス「A!Premium(エープレミアム)」の2019年度利用実績を発表した。輸送実績は前年度比25・6%減の3549個と2年連続で減少した。主力輸送先の香港で昨年発生した大規模デモで輸送網が閉鎖されたことなどが主な要因。一方、Aプレミアムをきっかけとした関連取引は1万2175個(前年度比3904個増)で、初めて1万個を超えた。
 輸送先の内訳を見ると、国内が2428個(536個増)と伸びた一方、海外は1121個(1759個減)と激減した。海外輸送先の9割を占める香港で、大手飲食企業との取引が減ったことや大規模デモで地元空港が封鎖されたことなどが影響。昨年8月にAプレミアムを活用する予定だった、つがる市の名産品「つがるメロン」の香港輸送も中止となった。
 国内の地方別では、愛知県や岐阜県など中部地方が前年度の5倍以上となる596個と飛躍した。
 一方、Aプレミアムを通じた関連取引が伸びた理由として、県の大阪分室の営業によりナガイモやリンゴといった生鮮品以外の県産品の引き合いが国内の飲食店で高まったことが挙げられる。
 関連取引の品目別内訳を見ると、野菜や果物などの青果品が3831個(1884個増)、県産魚の切り身やリンゴジュースなどの加工品は4977個(3656個増)で3倍以上に伸びた。
 Aプレミアムは、空路と陸路を組み合わせたスピード輸送と保冷管理が強み。輸送実績をまとめた県港湾空港課によると、20年度は新型コロナウイルス感染拡大で空路が減便されており、利用状況は厳しくなっている。
 同課ロジスティクス推進グループマネージャーの木村圭一総括主任は「インターネットを通じた情報交換などを行い、県外の事業者との関係性を保てるようにしていきたい」と話した。

 
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