Free【みちのく生き物観察記】キタムラサキウニ

岩礁地帯の浅瀬に群れるキタムラサキウニ=5月、むつ市九艘泊
岩礁地帯の浅瀬に群れるキタムラサキウニ=5月、むつ市九艘泊

海の恵みとして重宝されるウニ。今回は陸奥湾の下北半島九艘泊の貝崎を訪ねてみた。海沿いの歩道をたどると平舘海峡に面した岩場の水中に無数のウニが見える。潮間帯の岩礁が白っぽいので、暗い紫色の個体は良く目立つ。

 南方に生息するムラサキウニと色は似ているが、この場所のウニはキタムラサキウニで、こちらが一回り大きく殻の大きさは8センチほど。太平洋側では相模湾より北に生息し、バフンウニ科に属する。

 ウニはヒトデやナマコの仲間の棘皮(きょくひ)動物で、硬い殻と棘(とげ)を持つ。昆布などの海藻を食べあまり動かないように見えるが、棘の間から管足と呼ばれるやわらかい器官を伸ばし、棘も動かしながらけっこう早く動く。食の旬は6月から7月で、各地で盛んに提供される。

 
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