Free久慈の「黄金雲丹」水揚げ当日に東京へ出荷 

発泡スチロールに「黄金雲丹」を詰める南侍浜漁業研究会のメンバー=8日午前6時すぎ、久慈市
発泡スチロールに「黄金雲丹」を詰める南侍浜漁業研究会のメンバー=8日午前6時すぎ、久慈市

久慈市漁協南侍浜漁業研究会(舛森清会長)は8日、「黄金雲丹(うに)」としてブランド化を目指す蓄養ウニについて、バスと新幹線を利用して首都圏に初出荷した。新たな出荷モデルの構築に向けた岩手県の委託による取り組みで、同日中に東京都内に配達された。

 同日は空が白み始めた午前6時過ぎから、麦生漁港の岸壁で作業開始。研究会メンバーは水揚げしたウニをその場で殻付きのまま20個ずつ、海水に浸した新聞紙や保冷剤、温度をチェックする機器と共に発泡スチロール3ケースに詰めた。ウニは市内から盛岡駅同9時半着の岩手県北バスに積み込み、新幹線に積み替えて東京駅に輸送。夕方までに都内のホテルなどに生きたまま配達された。

 テスト輸送も兼ねた同日のウニは、1ケース2万円(運賃込み)。ウニを積んだバスを見送った舛森会長は「冬のウニとしては、味、身入りとも自信を持って届けられるレベル。麦生のウニを多くの人に知ってもらうため、店側の評価を聞き、今後も販路開拓などに挑戦していく」と話した。

 蓄養ウニは、同研究会が磯焼け対策、漁業従事者の高齢化が進む中での容易な作業での収益確保対策として、地元の漁港を拠点に2020年度に着手。生産現場を撮影した画像や動画をSNS(交流サイト)などで発信するなど、産地の見える化にも力を入れている。

 
お気に入り登録