Free第1回 プロローグ

【三浦委員長の近況】空想委員会のメンバーです(中央・佐々木直也、左・岡田典之)。「ROCKINJAPANFES.2015」に出た時の写真です。今年も夏のいい思い出ができました。

〈2015年8月25日掲載〉

八戸市出身、三浦隆一といいます。初めまして。現在は東京に住んでおり、「空想委員会」というバンドで歌とギターを担当しています。全曲の歌詞を書いています。曲も作ります。

高校を卒業するまでの18年間を八戸で過ごし、その後は岩手大学に進学しました。盛岡市で4年過ごした後に上京し、今に至ります。

今回が1回目のこのエッセーには漠然としたテーマがあります。「学生時代の経験が現在の仕事に大いに役立っており、そのことを皆さんにお伝えしたい」というものです。

学生のころは、まさか自分が音楽を仕事にするとは思ってもみませんでした。それがさまざまな経験をしたり、いろいろなものの影響を受けたりして道がつくられていき、今では「全ては音楽のためにあったのかもしれない」と思うようになりました。今に至るまでの全ては、まさに音楽のための伏線だったのです。

学生のころに何を感じ、何を思っていたのか、そしてそれが今になってどう生きているのかを書きたいと思っています。気軽に読んでもらえたらうれしいです。

まず最初に伝えたいことは、私は高校のときに挫折を味わったことで、初めて自分自身を見詰めるようになったということです。

小学校、中学校と勉強もできましたし、運動も得意でした。周りの大人たちの期待に応えることこそが、私のアイデンティティーだったといっても過言ではありません。ところが、高校に入学して最初の学力テストは散々たるものでした。上には上がいました。

さらに、バスケ部に入って少したったころ、けがをして練習についていけなくなります。入学して2カ月ほどで、私は〝居場所〟がなくなってしまったのでした。そのとき初めて「自分は何者なのか」を考えるようになったのです。

今思えば、私の人生はそこから大きく動き始めることになります。連載でそのころのことを少しずつ伝えていけたらいいなと思っています。どうか最後までお付き合いください。

 
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