Free九戸歴史民俗の会、久慈で公開講演会 戦国の久慈氏テーマ

多くの市民らが「戦国時代の久慈氏」について学んだ公開歴史講演会
多くの市民らが「戦国時代の久慈氏」について学んだ公開歴史講演会

久慈城跡が岩手県指定史跡に指定されたことを記念し、九戸歴史民俗の会(酒井久男会長)が18日、久慈市文化会館アンバーホールで「公開歴史講演会」を開いた。八戸工業大第二高の熊谷隆次教諭が「戦国時代の久慈氏」と題して講演。系図分析などを基に、久慈地域での支配の実態を解き明かした。

 講演で熊谷さんは、久慈氏など南部一族の系図、久慈市内の神社が所蔵する棟札、賽銭箱底板の記述などを紹介。その上で、▽久慈城の城主は「摂津守」「備前守」を官途とする「備前守系久慈氏」で、久慈川流域の「上ノ久慈」を支配していた▽長内川流域の「下ノ久慈」は「信濃守」や「右京助」を名乗った「信濃守系久慈氏」が支配していた―と説明し、「川筋で分けられ、別々の武士が支配していた」と強調した。

 津軽藩祖の津軽為信に関しては、「備前系久慈氏の出身だが、兄と不和になり久慈を出奔し、津軽に移った後は信濃系久慈氏の大浦氏を継承した」との見解を示した。

 この日は市民ら約200人が訪れ、久慈地域の歴史に理解を深めた。酒井会長は参加者に向け「久慈氏や久慈城に対する関心が高まっている中での講演会。この地方の歴史や文化に理解を深めてほしい」と述べた。

 
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