Free【猿楽の旅音日記】⑱「組曲 金田一温泉物語」春の巻~かじか橋~

金田一温泉郷の旅館から少し歩くと、周りには開放的な風景が広がる(楽曲のMVより)
金田一温泉郷の旅館から少し歩くと、周りには開放的な風景が広がる(楽曲のMVより)

二戸市地域おこし協力隊の猿楽さんは、市内の風景や文化を音楽で表現する「旅音プロジェクト」を進めている。音楽家の感性で捉えた二戸の印象を、曲のイメージと共に紹介する。

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 今回から、金田一温泉郷をテーマにした組曲を紹介する。曲は温泉郷の春夏秋冬と、結の巻(最終章)で編成する。「天台寺」「奥南部漆物語」と合わせて、二戸の組曲3部作となる。

 春の晴れた日、温泉郷を車で訪れた。国道4号沿いの「金田一温泉」のゲートをくぐり、両脇の田んぼを見ながら進む。素朴で心地良い風景に、自然と開放的な気持ちになる。

 昨年3月に完成したカダルテラス金田一の前に車を止め、周辺を歩く。おぼない旅館を少し過ぎてから小道に入ると、緩やかな曲線を描いた川と、そこに架かる小さな橋が見える。この景色は、二戸でも指折りの美しさだと思う。おおらかで懐かしく、優しさにあふれたこの街らしい風景だ。

 橋の通称は「かじか橋」。名前の由来は、ぜひ現地で確かめてほしい。歩いて橋を渡ると、ブルーベリー園がある。近くのベンチに座り、春の日差しを感じる。タカを模したカイトが、風になびいて飛び回っている。穏やかな時間がゆっくり流れていく。

 こんな風景に幸せを感じながら、組曲の始まり「かじか橋」を作った。新緑の季節に動き出す金田一の街や人々の、ワクワクするような姿もイメージして。

 読者の皆さんも現地を訪れ、美しい景色や温泉を楽しみながら、自分だけの「物語」をゆったりと感じてほしい。滞在中のBGMには、この組曲を流してもらえると幸いである。(猿楽)

 ※毎月第2、第4火曜掲載。タイトル曲などのミュージックビデオ(MV)は、猿楽さんのサイト「にのへの旅音」で順次公開する。

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