Free交流施設「とわふる」の壁画完成 環状列石がモチーフ

壁画が完成した十和田市地域交流センター
壁画が完成した十和田市地域交流センター

十和田市稲生町に整備された、市地域交流センター「とわふる」の外壁の壁画が完成した。10日、完成レセプションが開かれ、制作者の鈴木ヒラクさん(44)=神奈川県在住=が作品について解説。「見るたびに表情が変わる壁画。何度でも見ていただいて長く親しんでほしい」と呼びかけた。

 同センターは、イベントも実施可能な多用途施設。国内外で活躍する建築家藤本壮介さん=東京都在住=が設計を務めた。

 壁画のタイトルは「光と遊ぶ石たち」。環状列石と惑星の軌道がモチーフのドローイング作品で、10月上旬に制作を始め、11月28日に完成した。

 レセプションでは、鈴木さんのアーティストトークが行われた。壁画のモチーフに環状列石を選んだ理由について鈴木さんは、十和田周辺に小牧野遺跡(青森市)、大湯環状列石(秋田県)の日本を代表する二つの環状列石が現存していることを挙げ、「環状列石は古来、人々が集う祭祀(さいし)の場であり、交流センターという場所にふさわしい」と話した。

 ドローイングに使用したシルバーの塗料は、光を反射させて周囲の景色を映し込む効果があり、「イメージを固定せず、動的な揺らぎを保ち続ける」と、見る時間や季節、天候によってさまざまな表情を見せると強調。市民から長く愛される現代の遺跡として「3万年後くらいに発掘されるとうれしい」と笑顔を見せた。

 十和田市現代美術館は11日、鈴木さんと藤本さんによるオンライン配信の対談イベントを実施。藤本さんは壁画について、「ヒラクさんの作品と十和田の街にある潜在的な線がつながった。常に変化し続ける世界の見え方が面白い」と評した。

 
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