Free【フォーラム閉館決定】「八戸の映画文化守りたい」 再出店に向け、機運醸成図る

八戸の映画文化を守ろうと、映画館の魅力発信を目的とした団体を、仲間と立ち上げた溝口祐樹さん=15日、八戸市
八戸の映画文化を守ろうと、映画館の魅力発信を目的とした団体を、仲間と立ち上げた溝口祐樹さん=15日、八戸市

八戸市内唯一の映画館「フォーラム八戸」の閉館決定を受け、八戸の映画文化を守ろうとする動きが、市民の中で広がりつつある。市内の愛好家が中心となり、映画館の魅力発信を目的とした団体が発足。23日に初のトークイベントを開催する。市内では約20年前に映画館がなくなった際、市民が立ち上がり、復活にこぎ着けた経緯がある。将来的なフォーラム八戸の再出店に向け機運醸成を図り、大きなムーブメントにつなげていきたい考えだ。

 団体名は「これからの映画文化を盛り上げる会@青森」。発起人の一人でもある同市の会社員溝口祐樹さん(30)は「友達と放課後に訪れたり、恋人とのデートだったり、映画館には人それぞれに思い出がある。地元である八戸から映画館を絶対になくしてはならない」と意義を語る。

 かつて市内には多くの映画館が存在していたが、溝口さんにとっての映画館はフォーラム八戸だった。学校帰りや仕事終わりに立ち寄り、現在は年間100本以上の作品を鑑賞。交流サイト(SNS)を通じて知り合った映画愛好家と、感想を言い合うのも大事な時間となった。

 ただ、運営会社「八戸フォーラム」は、入居する八戸市十三日町の商業ビル「チーノはちのへ」の再開発計画により、来年1月5日で営業終了を決定する。 覚悟はしていたものの、大きなショックを受けた溝口さんは「何か行動を起こそう」と一念発起。映画好きの友人らと意見を交換しながら、8月下旬に団体を設立した。

 トークイベントを定期的に開き、市民の映画館に対する思いを聞きながら、活動の方向性を決める。

 団体は現在、20~40代の5人で運営し、今後も仲間を増やしていく。特に連携を図りたいと考えているのが、20年前に映画館を復活させた市民。「どうやってオープンに至ったのか、ぜひ話を聞かせてもらいたい」とラブコールを送る。

 活動のゴールはフォーラム八戸の再出店と見据える。だが、ここ数年で映画を取り巻く環境は一層、厳しさを増した。新型コロナウイルス感染拡大による来店客の低迷、定額制の動画配信サービスの広まりもあり、自宅で映画を楽しむ傾向がより強くなった。

 溝口さんは「正直なところ、どこまでできるか分からない。ただ、黙っていることはできない。自分たちの思いも届けながら、映画文化を守ろうという機運の高まりにつなげたい」と期待を寄せる。

 23日のトークイベントは既に定員に達した。今後も月1回ペースで開催する予定。問い合わせは、溝口さん=メール=hijouguchi13@gmail.com=へ。

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