Free【八戸三社大祭】マチニワでパネルディスカッション 山車の魅力発信

「祭りの中の造形美」をテーマに八戸三社大祭の世界観や未来について意見を交わしたパネルディスカッション=1日、八戸市
「祭りの中の造形美」をテーマに八戸三社大祭の世界観や未来について意見を交わしたパネルディスカッション=1日、八戸市

新型コロナウイルスの影響で、神社行列や山車運行が中止となった八戸三社大祭で、運営委員会(塚原隆市会長)などは1日、八戸市のマチニワで八戸三社大祭のパネルディスカッション「祭をかだれ、祭にかだれ」を開いた。美術的見地から祭りに取り組む3人が、「祭りの中の造形美」をテーマに、三社大祭が築き上げてきた世界観とこれからの可能性について意見を交わした。

 同市美術館オープニングプロジェクトディレクターの吉川由美さん、十一日町龍組制作責任者の石橋元平さん、写真家の二ツ森護真(まもる)さんがパネリストを務めた。新型コロナ感染拡大防止のため、入場人数を制限したほか、パネルディスカッションの模様はユーチューブでライブ配信した。

 三社大祭の山車の魅力について、吉川さんは「山車は現代アートに通じるような自由自在な色使いで、一つの物語を表現している点が面白い」と語った。二ツ森さんは「市民が作るのが魅力。学校や会社とは違う人間関係の中で成長できる。それぞれの思いが一つになる日本一の山車だ」と強調した。

 石橋さんは制作上のこだわりとして「離れた所から見て、良いと言ってもらえるような雰囲気の山車作りを目指している」と話した。

 2年連続で山車運行が中止となった点には、吉川さんは「子どもも大人も成長できる大切な時間が失われた。来年は祭りをして取り返したい」と語った。石橋さんは「祭りがない年が来るとは想定していなかった。制作に携わる方々が祭り離れするのではないか」と危機感を募らせた。

 吉川さんは、11月に開館予定の市美術館で予定される、三社大祭を切り口としたオープニングプロジェクトについても紹介した。

 
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