国産漆の約8割が浄法寺漆
現在、国内で流通している漆の9割以上が輸入によるもので、国産はほんのわずか。そのうちの約8割が二戸地域を中心に生産されている浄法寺漆です。毎年梅雨入りの頃、漆掻き職人が山に入り、およそ6カ月間にわたって漆を掻きます。
国宝の修復に使われる品質
文化庁は2018年度から、国宝、重要文化財建造物の保全、修理に原則として国産漆を使うことを決定しました。国宝や重要文化財建造物に使われるほどの高品質な材料が、暮らしの器の材料としても使われています。
天台寺の僧侶が作り伝えた器
浄法寺漆の器の歴史については、明確なことは分かっていません。しかし、天台寺の僧侶が作り伝えたといわれています。作り方が伝承されてきたわけではありませんが、生活の器であることや、地域の漆という素材の魅力を引き出したものであるということは変わらずに受け継がれています。
塗り重ねの手法
浄法寺漆の器は、国産の木地に漆を塗って研いでを6、7回繰り返す、塗り重ねの手法です。塗り重ねることで木の器に強度を持たせます。塗師が最初に漆を器に染みこませてから、完成までは3カ月ほどかかります。
地域での一貫生産体制
地域で種から漆の木を育て、漆を掻き、漆を塗っていること自体が、今の日本では貴重です。漆掻き職人、木地師、塗師、鍛冶屋、刷毛を作る職人といった物作りをする人たちをはじめ、関わってきた人、そして現在関わっている人たちの心意気が浄法寺漆とその器を未来へとつないでいきます。
※本紙生活情報誌シュシュ3月号の特集記事をウェブ用に再編集しました。


