昨年8月、南部町の公民館では20~70代の男女6人が教員経験のある青森県教委職員の言葉に耳を傾けていた。会社員や専業主婦など集まった人たちの職業はばらばらだ。
県教委は2023年度から教員免許を持ちながら活用していない「ペーパーティーチャー」向け研修会を実施。学校での密着映像を流したり、教員OBが仕事のやりがいを紹介したりして人材確保に当たる。
教員採用試験の受験者は県内で減少傾向にある。特に深刻なのが小学校で、この四半世紀で約8割減となり、合格倍率は1倍割れが目前に迫る。
県教委は小学校について24年度実施の試験から幼稚園教諭にも門戸を開放。臨時講師として採用し、3年間で小学校の免許を取得してもらう試みを始めた。
人材掘り起こしを狙う研修は23、24年度の2カ年で339人が参加、うち39人を臨時講師などとして現場に迎え入れた。ただ中学校を合わせた常勤職員の未配置はいまだに100人以上に上るなど教員不足は解消しない。
南部町の研修では三八教育事務所の久保慶喜教育課長が講演。前年度まで八戸市内の小学校長だったベテランで「デザインした授業で子どもが楽しんでくれると、やりがいを感じる」と魅力を語った。
堅苦しくならないよう、具体的なエピソードも交えた。新任式で担任を知らされた児童から「がっかり」と言われたことでさえ大切な思い出で「子どもたちは正直。それがうれしい」と目を細めた。
最後は「かけがえのない子どもたちのために、皆さんの力を貸してほしい」と締めくくった。
八戸市の女性会社員(29)は最前列で話を聞いた。大学4年次に教員採用試験に落ち、市内の金融系企業に就職したが、30代を目前にして持っている資格を生かしたいと思い立った。
研修会後は「もう一度チャレンジしてみようと思う」とすがすがしい表情を浮かべた。
青森、受験者数の減少深刻

中でも小学校はなり手不足が著しく、受験者数を合格者数で割った合格倍率は00年度に11.3倍だったが25年度は1.2倍まで低下した。
文部科学省によると、受験者数の減少率は00~24年度で全国平均が26%に対し、青森は8割を超え秋田などに続き全国ワーストクラスだ。
教員は50代以上が過半数で今後も退職者数の過多が続く見込み。
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全国的に教員不足が叫ばれて久しい。県教委は教員の働き方など教育改革に本腰を入れ、担い手確保を図る。県内の教育現場の現状を探る。


