Free配石遺構や粘土採掘跡、レプリカで再現 御所野遺跡の世界遺産登録で企画展/一戸

配石遺構(手前)や粘土の採掘跡(左奥)のレプリカなどが展示された会場
配石遺構(手前)や粘土の採掘跡(左奥)のレプリカなどが展示された会場

一戸町の御所野遺跡が世界文化遺産に登録されたことを祝い、遺跡の価値をギャラリー展示などで発信する企画「御所野遺跡を未来へ」が、町コミュニティセンターを会場に開催されている。2月27日には特別イベントが催され、町民による意見発表などのステージが繰り広げられた。展示は3月19日まで。

 特別イベントでは、前半で文化庁の鈴木地平文化財調査官が講演した。

 同遺跡が世界文化遺産に登録された意義について、「先史時代の人類について新しい知見を得られるようになったのは、世界中の人にとってうれしいことだ」と強調。「専門家だけに限らず、地元でいろいろな活動をしている団体や、住民らが遺跡を支えてきたことは世界にも誇れる」と述べた。

 続いて小学生から高齢者まで、各年代を代表する町民7人と町出身の1人(ビデオ映像で参加)が、遺跡への思いを発表した。このうち、一戸小5年の小野寺正晴君は「自然豊かな一戸、御所野の素晴らしさを伝えたい」と誓った。

 岩手県無形民俗文化財の根反鹿(ねそりしし)踊りや、町の混声合唱団「まべち」による「御所野縄文公園讃歌(さんか)」の斉唱も披露され、ステージを盛り上げた。

 同センターのギャラリーでは、昨年、横浜市や千葉市などで行った「縄文ムラの原風景展」の展示物を紹介している。同遺跡の配石遺構や、縄文人が土器を作るために粘土を採掘した跡を、大型のレプリカで再現。墓を中心に竪穴建物群が分布するなど、ムラが変遷した経緯を、発掘調査を基にパネルで解説している。

 このほか、町民らが遺産登録を祝福したメッセージや、同遺跡を支えた各団体の歩みを紹介したパネルも飾っている。

 展示は午前9時~午後4時半。入場無料。月曜休館。問い合わせは、同センター内の一戸ユネスコ協会=電話0195(31)1400=へ。

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