Free【北奥羽の神社】都落ちした平重盛が信仰?/龍興山神社(八戸)

龍興山神社
龍興山神社

社伝には、1177(治承元)年、平清盛の子・重盛が父の不忠をいさめたことで都落ちし、現在の島守地区にやって来た―との伝説が残る。そして重盛が浅田山=通称・虚空蔵(こくうぞう)山=に、自身が信仰していた虚空蔵菩薩を祭ったのが由来とされる。

 一説には、江戸時代まで神仏習合として地域住民の信仰を集めたが、明治政府による神仏分離令に伴う廃仏毀釈(きしゃく)の高まりを避けるため、浅田山の山号を取って「龍興山神社」と改称。それまで山頂にあった虚空蔵菩薩は現在、麓にある「福一満虚空蔵菩薩堂」に移し、神社としては豊玉彦之命(とよたまひこのみこと)を祭神として現在に至っている。

 神社へは奇岩や杉がうっそうと茂る参道を15分かけて上る必要があり、神宿る神域にふさわしい雰囲気をとどめる。現在の社殿は1935年に再建され、社殿上部には十二支の彫刻が施されているのも興味深い。

【祭神】豊玉彦之命
【御利益】五穀豊穣、家内安全など
【例祭】6月第1土、日曜日
【住所】八戸市南郷島守内山5

 ※ネット連載

 
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