Free本番の臨場感、動画で八戸えんぶり 中止の代替企画、17日配信

摺りを披露する妻神えんぶり組の太夫ら=6日、八戸市
摺りを披露する妻神えんぶり組の太夫ら=6日、八戸市

八戸地方えんぶり保存振興会(塚原隆市会長)は、新型コロナウイルスの感染拡大により2年連続の中止が決まった八戸えんぶりの代替企画として、太夫の摺(す)りや子どもたちの祝福芸を撮影した動画を製作した。行事で披露される一連の演目が楽しめ、八戸市中心街で一斉摺(ず)りを行う予定だった17日午前11時から、ユーチューブチャンネル「八戸二大祭り」で配信を始める。

 えんぶりの保存伝承につなげるとともに、全国のえんぶりファンに見てもらい、コロナ収束後の開催へ機運醸成を図るのが狙い。映像資料としても保存し、3月以降は同市のマチニワでの公開も予定する。

 撮影は6日、市史跡根城の広場で行われ、コロナ下でも撮影に協力可能とした妻神えんぶり組(八戸市)と福田上えんぶり組(南部町)の2組が出演した。太夫は地面に積もった雪を力強く踏みしめて勇壮な摺りを披露し、子どもたちは軽快に「松の舞」や「えんこえんこ」などを舞った。動画は各組30分間の約1時間で、解説やナレーションを付けて編集した。

 妻神えんぶり組で太夫を務める立崎貫太さん(14)は撮影後の取材に対し、「踊り切れて安心した。全国の人にえんぶりはすごいものだと伝えたい」と笑顔を見せた。親方の馬場豊樹(ひろき)さん(34)は「本番が行われると信じて練習してきた。中止は残念だが、動画でも披露の場があることに感謝したい。えんぶりの魅力が伝わればうれしい」と話していた。

 保存振興会事務局の八戸圏域版DMO(観光地域づくり推進法人)VISIT(ビジット)はちのへの担当者は「コロナ下で制約はあるが、さまざまな方法でえんぶりをPRし、保存伝承につなげていきたい」と語った。

 
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