八戸工大一高（藤澤重信校長）はこのほど、俳優サヘル・ローズさん＝イラン出身＝を講師に招き、同校体育館で課外授業「心の教室」を開いた。「出会いこそ、生きる力」と題したサヘルさんの講演を通じ、全校生徒約７００人が命や家族の大切さを学んだ。

　課外授業は生徒の心を豊かにする狙い。毎年、講演会や映画鑑賞などを行っている。

　サヘルさんはイラン・イラク戦争に巻き込まれて家族を失い、孤児院で育てられ、現在の母親に引き取られた過去を説明。「家族と一緒に過ごせることは宝物だよ」と伝えた。

　また、学生時代に遭ったいじめの経験を打ち明け、「クラスの中で一人ぼっちの人がいたら、歩み寄る勇気を持ってほしい」と呼び掛けた。

　取材に対し、３年の髙松泰樹さん（１８）は「これからいろんな人と接する機会が多くなる。相手の立場を考えて発言していきたいと思った」と話した。

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