Free下北、上北中心に大雨 風間浦で住民孤立 青森県、陸自に派遣要請

川の増水により、崩壊した小赤川橋=10日午後2時半ごろ、むつ市大畑町
川の増水により、崩壊した小赤川橋=10日午後2時半ごろ、むつ市大畑町

台風9号から変わった温帯低気圧の影響で、青森県は10日、下北地方を中心に大雨に見舞われた。むつ市で橋が壊れたほか、風間浦村で土砂崩れが複数発生して両市村の一部で住民が孤立。青森県は災害対策本部を設置し、陸上自衛隊第9師団(青森市)に災害派遣を要請した。河川氾濫を受け、七戸町は川沿いの倉岡川目地区に最も危険度が高い「緊急安全確保」を県内で初めて出した。むつ、風間浦、七戸など5市町村で最大779人が避難。けがなどの人的被害は確認されていない。

 県は国と協議の上、住宅の浸水被害が出ているむつ市、七戸町、風間浦村に災害救助法を適用すると決めた。県が主体となって継続的に被災者支援や救助活動を実施する。

 県庁で開かれた災害対策本部会議で、本部長の三村申吾知事は「関係機関と連携しながら全庁一丸となって人命の救助救出に向けた取り組みを進めてほしい」と幹部職員に指示した。

 県警によると、むつ市では小赤川橋が崩落し、風間浦村の国道279号の8カ所、村道の1カ所で土砂崩れが起きた。道路が寸断され、風間浦では約721人が孤立している。

 災害派遣の要請を受けた陸自から、物資輸送のため第5普通科連隊の約80人、車両約20台が10日午後5時ごろに青森市を出発し、現地に向かった。

 県内では、ほかにも土砂崩れが起きた県道後平青森線七戸町中天間舘―青森市田代(16・5キロ)などが通行止めになった。浸水などの建物被害は確認中。むつ市大畑地区で夏秋イチゴのハウス7棟(約14アール)が冠水した。

 県によると、最大避難者数は風間浦村384人、むつ市213人、七戸町120人、六ケ所村51人、東通村11人。

 東北電力ネットワーク青森支社によると、県内ではむつ市、横浜町、東通村、風間浦村、六ケ所村、おいらせ町、八戸市などで延べ3791戸が停電。10日午後5時現在で、むつと風間浦の一部971戸が停電している。復旧は11日以降となる見通し。

 青森地方気象台によると、9日午前0時から10日午後2時までのアメダスの38時間積算雨量は大間145・5ミリ、むつ149・0ミリ、六ケ所177・0ミリ、七戸163・0ミリなど。むつ市や風間浦村では局所的に300~350ミリの大雨となった。

 県内は11日午前まで雨が降る見込み。10日ほどのまとまった雨にはならないが、地盤が緩んでいる地域があり、土砂災害に警戒が必要だ。

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