Free洋野、階上両町、定住促進に力 三陸沿岸道沿いの好立地PR 宅地分譲や子育て支援も

三陸沿岸道路整備を追い風に、沿線の自治体は定住促進を進める=4月下旬、洋野町
三陸沿岸道路整備を追い風に、沿線の自治体は定住促進を進める=4月下旬、洋野町

国が東日本大震災の復興道路と位置付ける「三陸沿岸道路」の整備を追い風に、北奥羽地方の沿線自治体で移住者の取り込みの動きが加速している。洋野、階上両町は交通の利便性のアピールばかりでなく、宅地分譲と子育て支援を連動させ、定住の促進を狙う。

 三陸沿岸道路は八戸市と仙台市間の沿岸部を結ぶ高規格幹線道路。今年3月の洋野種市IC(インターチェンジ)―侍浜IC間の開通で、八戸市から階上、洋野の両町を経て、久慈市までが1本につながった。本年度中に仙台市まで全通する予定だ。

 洋野町は町内の道路の開通に合わせ、同町種市第39地割に「かどのはま定住促進団地」30区画を整備し、分譲を開始。階上ICまで車で約4分、学校や病院が10分圏内という好立地を売りにする。

 加えて、年齢や町外転入などの要件を満たすと、通常200万円の1区画(約300平方メートル)を25万円に値下げし、18歳未満の子どもの数に応じてさらに割り引く仕組みも設ける。町企画課は「破格の安さな上、医療費助成などで移住後も安心できる」とPR。3月下旬の先行予約受付開始から1カ月で問い合わせは20数件あったという。

 階上町は階上ICまで車で約4分で、JR八戸線階上駅付近に1980年代に整備した「駅前中央団地」に再注目。残り3区画の販売に力を注ぐ。

 5年以内の住宅新築などを条件に、1平方メートル当たり8600円を7千円にするほか、中学生以下の子ども1人につき20万円を助成。町内建築業者を利用するなどすれば、住宅取得費用についても最大110万円まで補助する。

 4月に契約した八戸市の営業職の男性(30)は「土地の安さや補助金が大きな理由。市内への通勤も三陸沿岸道路があるので苦労しない」と利点を挙げる。

 問い合わせは、洋野町企画課=電話0194(65)5912=、階上町総合政策課=電話0178(88)2113=へ。

 
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