Free青森県内献血減少、コロナで外出控え影響 ワクチン接種後は献血できず

新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える人が増えた影響により、青森県内で献血者数が減少し、血液不足が懸念されている。県赤十字血液センターによると、2020年度は1年の半分の月で、献血者数が計画目標に達しなかった。医療従事者を皮切りに新型コロナのワクチン接種が始まったが、接種後は献血ができないため、血液の安定供給にさらなる影響が出る可能性も。同センターの島田博明献血推進課長は「ワクチン接種前に献血して」と協力を呼び掛けている。

 県内の献血は、個人が献血バスや献血ルームを訪れる方法と、企業に献血バスを派遣する方法で行われている。大半を企業での献血で賄っていたが、昨年は新型コロナの感染拡大で中止が相次いだ。特に弘前保健所管内で大規模なクラスター(感染者集団)が発生した昨年10月は献血者が激減し、目標人数2931人より355人少なかった。

 例年、年度の変わり目で異動が多い3月や4月は献血者が少ない。今年は新型コロナが追い打ちを掛け、3月は目標人数約2890人に対し、献血者は約2770人だった。4月上旬は目標の血液量を確保するため、月末に予定していた献血バスの配車を前倒して対応したという。

 ワクチンの影響も懸念される。新型コロナに限らず、インフルエンザなどの予防接種後は一定期間献血ができない。ただ、新型コロナワクチンの場合は国が基準を検討中で、献血が可能になる接種後の時期が示されていない。県内でも、新型コロナワクチンを接種した人の献血を断った事例があるという。

 昨年の献血者数の推移を見ると、感染者が増えた時期は献血者が少なくなる傾向にある。県内では先月中旬以降、クラスターが相次いで発生し、感染者が増加している。

 島田課長は「4月末は苦戦を強いられると思う」と懸念。「献血は不要不急の外出に当たらない。輸血を受ける人のために協力をお願いしたい」と話している。

 
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