Free【北奥羽の神社】館神社(階上町)/武神、軍神として信仰

館(たて)神社。道仏川中流域の左岸、河岸段丘先端に築かれた道仏館跡の頂上に、館神社が鎮座する。境内には青森県内最大級のモミの大木が生えており、近年は地域住民のみならず、巨木ツアーやみちのく潮風トレイルの利用者らも立ち寄る。

 一帯は館跡で、敵を防御した空堀の跡が今でも残っている。階上町教委が発行した「はしかみの民俗と信仰」によると、館主の赤松民部吉時が1591年、九戸政実の乱で南部方に味方して九戸方に攻められ、吉時は戦死。

 館は落城したが、吉時の2人の息子は逃れ、長男は同町の海中山西光寺の住職に、次男は館神社の神官となった。代々跡を継ぎ、今でも地域に伝わる道仏神楽を伝承したという。

 社伝によると、神社は1449年に道仏館の館神(守護神)として八幡様を祭ったのが草創とされる。武神、軍神として信仰され、戦時中は出征前に参拝に訪れる人が多くいたという。
 
 【祭 神】誉田別命(ほんだわけのみこと)
 【御利益】必勝、安産 【例 祭】5月15日(旧暦)
 【住 所】階上町道仏3

 ※ネット連載

 
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