Free北奥羽の地名【金田一】/どんな由来?

【金田一=きんだいち?きんたいち?】
 二戸市北東に位置し、県境で三戸町と接する。果樹生産が盛んで、座敷わらしで有名な金田一温泉郷がある。

 「二戸市の地名」(同市教委)などによると、金田市(金当市)に由来するとの説が有力。昔この辺りでは市場が開かれ、代金が即座に支払われる市場という意味で金田市、その後に金田一になったという。

 アイヌ語に由来するとの説もある。興味深いのは読み方。金田一小・中は「きんたいち」、道路標識の読み方も濁点は付かない。

 市は事務上は「きんたいち」を用いるとのことだが、この地を所領した金田一氏の子孫で言語学者の金田一京助も、推理小説に出てくる名探偵も姓は「きんだいち」。地元の人も濁って発音するが、どちらが正しいのか。

 郷土史に詳しい関係者は、「きんたいち」は1909年の金田一駅開業時に出てきた読み方で、当時の役人たちの勘違いだったと推測する。

 多くの古文書を調べると、本来は濁って発音するのが正確だとし「きんたいちは庶民に浸透しなかったが、公的には通用して今日に至っている」とみる。

 
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