Free【あの日の紙面・震災6日目】物流まひ寸前 自転車が売れる/2011年3月16日朝刊より

物流が滞り、空きが目立つようになった倉庫=2011年3月15日、八戸市内
物流が滞り、空きが目立つようになった倉庫=2011年3月15日、八戸市内

「あの日」の記憶を紙面でたどる企画。16日は震災6日目の朝刊紙面。燃料不足は市民生活に深刻な打撃を与え、通勤用の自転車が飛ぶように売れた。

 ■「もう限界」

 東日本大震災に伴う石油製品の供給不足は、青森県南、岩手県北地方の市民生活や産業活動に大きな打撃を与えている。物流は滞り、介護福祉施設の運営も困難に。家庭ごみが収集できない事態に陥ったほか、バスは全面運休になる恐れも出てきた。車社会の中でガソリンの売り切れが相次ぎ、市民は“生活の足”の確保に四苦八苦。建設工事は事実上、ストップしている状態だ。

 全国各地から物資を集め、小売店を通じて市民に届ける―。こうした経済の流れを支えるのが“運び屋”のトラックだが、軽油不足により輸送機能はまひ寸前の状態で、深刻な事態になっている。

 八戸市の共同物流サービスでは、トラックが動かないため各地から物資が届かず、倉庫の空きが目立つようになった。軽油不足がこれ以上進むと、物資が届いたとしても倉庫から小売店まで運べなくなるという。

 同社の担当者は「もう限界に近い状態。このままでは、市民に食料や生活用品を届けることができなくなる」と危機感を募らせると同時に、「国などが一刻も早く何らかの対策を講じるべきだ。市民のためにも、諦めるわけにはいかない」と力を込める。

 一方、郵便配達では、郵便事業八戸、八戸西の両支店が15日から、ガソリン節約のため配達手段を可能な限りバイクから自転車に変更。届いた手紙やはがきは通常通り配達できるように対処しているという。ただ、荷物を扱う「ゆうパック」の引き受けは震災後から停止している。

 八戸西支店の支店長は「ガソリンが足りない状況なので、少しでも節約に努めながら、復旧を待ちたい」と話した。

 ■自転車が売れる

 ガソリン不足の影響で、八戸市内のホームセンターでは、車に代わる通勤手段として自転車を買い求める多くの市民が詰め掛け、飛ぶように売れている。

 同市のサンデー八戸沼館店では15日、午前中から買い物客が続々。店長によると、同店は14日に約30台、15日は夕方までに約100台を販売。通勤に利用する人が多く、社員の通勤用に数台まとめて買う企業もあるという。

 9千~2万円弱の商品が多く売れているが、普段はめったに出ない約3万円の折り畳みタイプや、7万~8万円の電動タイプを購入する人もみられるという。

 店長は「本来販売数がピークになる入学シーズンでもこんなに売れることはない」と驚いていた。

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