Freeべっぴんの湯、温泉成分を確認 来春一部再開目指す/久慈・新山根温泉

新たに掘削した井戸から湧き出る温泉(久慈市提供)
新たに掘削した井戸から湧き出る温泉(久慈市提供)

湧出量減少で営業を休止している久慈市山根町の新山根温泉「べっぴんの湯」で行われていたボーリング調査で、湧き出た地下水から温泉成分を確認したことが13日、市への取材で分かった。市は来年春の一部再開を目指し、老朽化が進む設備のリニューアルに本腰を入れる考えだ。最大の難関をクリアし、再開への道筋が見えてきた。

 温泉は東北一を誇る強アルカリ成分の泉質が人気だったが、2019年10月に休止した。これまで繰り返した調査や工事では回復に至らず、悲観的な見方も出始めていたが、ラストチャンスと位置付けた挑戦で源泉を掘り当てた。

 市によると、地下水を岩手県内の検査機関で分析したところ、フッ素イオンやメタケイ酸といった温泉法で定められた成分を含み、温泉として認められるとの結果が出た。水素イオン指数(pH)は10・7で、以前の泉質と同等の数値が得られた。

 休止直前に毎分12リットルまで落ち込んでいた湧出量は、揚湯試験で最大で毎分157リットルを確認。連続して安定的に揚湯できる湧出量も平均で毎分104リットルあり、全浴槽を十分に満たせる量を確保できる見込みだ。

 掘削場所は前の井戸から約50メートルの地点でpH値も近いことから、同じ水脈との見方も。ただ、以前は地下730~790メートル付近で取水していたのに対し、今回はそれより浅い地下550メートルまでしか掘削していない。取水する位置が変わり、水の出を悪くしていた何らかの原因が解消された可能性もある。

 源泉確保のめどが立ち、市の取り組みにも弾みが付きそうだ。市は開催中の市議会定例会議に提案した21年度一般会計予算で、ボイラーや揚湯ポンプの改修費1億8205万円を計上しており、まずは日帰り入浴のみの一部再開を急ぐ。

 市は今後、運営主体となる指定管理者の募集、食堂や客室のリニューアルも検討する。源泉発見を信じていたという山田一徳・市産業経済部長は「大浴場が最優先。以前よりも魅力ある施設として再開できるよう、動きを加速したい」と強調。吉報を喜ぶとともに、再開に向けた課題を見据えた。

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