Free【あの日の紙面・震災発生当日】三沢でハヤブサから鳥インフル 東北で余震相次ぐ/2011年3月11日朝刊より

鳥インフルエンザの陽性確認について説明する当時の県自然保護課長(右)と畜産課長
鳥インフルエンザの陽性確認について説明する当時の県自然保護課長(右)と畜産課長

「あの日」の記憶を紙面からたどる企画。11日は震災発生当日の朝刊。1面は野生のハヤブサから鳥インフルエンザが検出された記事で、社会面では宮城県で震度5を記録した前日の地震の余震が続いていることを伝えている。朝刊が届いた時点では“いつもの日”。そして、午後2時46分を迎える。

 ■米軍基地内で発見

 青森県は3月10日、三沢市の米軍三沢基地内で死んだ野鳥のハヤブサを簡易検査した結果、高病原性鳥インフルエンザの疑いがある陽性反応が確認されたと発表した。毒性の強弱などは不明で、北海道大で詳細な検査を実施する。基地から半径10キロ圏内の27養鶏場では鶏約200万羽が飼育されており、県は11日以降、異常がないか立ち入り調査を行う。県は北海道で鳥インフルエンザが発生した昨年10月以降、死んだ野鳥70羽余りを簡易検査したが、陽性反応が出たのは今回が初めて。

 ハヤブサは8日、米軍基地の住宅地で衰弱した状態で発見され、9日までに死んだ。基地から相談を受けた地元の野鳥の会が県に通報した。

 県は今回の陽性反応を受けて、野鳥や養鶏場での異常監視を強化する。

 10日、発見現場から半径10キロ圏内にある三沢市、六戸町、おいらせ町の計27養鶏場に聞き取り調査したが、異常はなかったという。11日からは立ち入り調査を実施し、鶏舎の野鳥の侵入対策などを確認する。

 ■宮城で震度4 福島に津波注意報
 10日午前6時24分ごろ、宮城県で震度4の地震があった。気象庁によると、震源地は牡鹿半島の東沖約130キロで震源の深さは9キロ。マグニチュード(M)6・8と推定される。気象庁は一時、福島県沿岸に津波注意報を出した。

 9日に宮城県北部で震度5弱を観測した地震の余震とみられ、東北から関東、北陸、東海の広い範囲で揺れを観測した。10日も午前3時16分に東北や関東、北陸で最大震度3(M6・2)など余震が相次ぎ、9日以降の有感の余震は30回を超えた。

 気象庁は記者会見で「M6級の余震も複数ある。活動は徐々に収まってくると考えられるが、今後1週間程度は最大震度4程度の余震の恐れがある」と注意を呼び掛けた。

 JR東日本によると、東北・山形・秋田・上越・長野の各新幹線は平常通り運転している。また、9日の地震の津波で養殖施設が流された岩手、宮城両県で漁協関係者らは10日、被害状況を確認するための本格的な調査を始めた。

鳥インフルエンザの陽性確認について説明する当時の県自然保護課長(右)と畜産課長

 
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