Free【震災10年】“奇跡の鳥居”物語後世へ 八戸・厳島神社に解説板

八戸市大久喜の厳島神社前に設置された解説板=6日
八戸市大久喜の厳島神社前に設置された解説板=6日

東日本大震災の津波で鳥居の一部が流失し、漂着した米国から返還されたことで鳥居を再建した八戸市大久喜漁港内の厳島神社。太平洋をまたぎ、約7千キロ離れた日本と米国間で生まれた奇跡の物語を後世に残すため、市は6日、同神社前に解説板を設置した。同日、市立大久喜小で除幕式が行われ、出席者が鳥居の返還に尽力した人たちをたたえるとともに、震災の記憶を後世へ語り継ぐことを誓った。

 同神社の鳥居は、震災時の津波で3基が流失したが、2年後の2013年春に米国オレゴン州の海岸に笠木(かさぎ)2本が漂着。保管・調査に携わった現地のポートランド日本庭園が、笠木に記された奉納者の名前から同神社を割り出し、同庭園や日米関係者の協力を得て15年秋に返還、16年春に再建された。

 解説板は縦約1・8メートル、横約1・2メートル。鳥居再建の経緯などが、日本語と英語で記されている。

 除幕式には大久喜小と南浜中の児童や生徒、鳥居再建に携わった地元関係者、小林眞市長らが出席。鳥居の返還などに尽力した同庭園の内山貞文さんがオンラインで参加し、“友情の証し”として同庭園へ贈られる解説板のレプリカが披露された。

 小林市長は「震災の復旧・復興に取り組む中で、勇気が湧き、元気づけられる話だった。神社を訪れる方に、鳥居がどれだけ意味のあるものか広く知ってもらいたい」とあいさつ。内山さんは「笠木を縁に交流が続いている。ポートランドにも遊びに来て」と絆を育む大久喜小と南浜中の子どもたちへメッセージを送った。

 大久喜小6年の高清水尊君(12)は取材に「解説板のおかげで当時を思うことができる。鳥居を大切にし、津波にも気を付けたい」と話していた。

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