FreeDV相談件数急増 コロナ禍影響か/八戸市内

新型コロナウイルスの影響などでDVの相談件数が急増している。関係者は相談窓口の利用を呼び掛ける=25日、八戸市総合保健センター(八戸市提供、写真はイメージ)
新型コロナウイルスの影響などでDVの相談件数が急増している。関係者は相談窓口の利用を呼び掛ける=25日、八戸市総合保健センター(八戸市提供、写真はイメージ)

配偶者や恋人など親しい関係の人から受ける暴力「ドメスティックバイオレンス(DV)」の相談件数が急増している。八戸市こども家庭相談室に寄せられた2020年度の相談件数は、1月末現在で例年の3~4倍近い、延べ190件に上り、過去最多を更新するのは確実だ。同相談室は新型コロナ感染拡大の影響で社会情勢が不安定な上、外出自粛などで気分転換の機会が減ったことが要因の一つと分析。担当者は「認識のすれ違いがDVに発展するケースが多い。誰にでも起こりうる身近な問題」と警鐘を鳴らす。

 DVは殴る蹴るなどの身体的な暴力だけでなく、怒鳴る、行動を監視するなどの「精神的暴力」、性行為を強要するなどの「性的暴力」、生活費を渡さない、就労を妨害するなどの「経済的暴力」などがあり、知らず知らずのうちに相手を傷付けるケースもある。

 同相談室によると相談の延べ件数は、18年度75件、19年度47件だったのに対し、20年度は1月末時点で200件に迫る。20年度の相談者のうち8割は30~40代の女性で、数年にわたり被害を我慢するケースが目立つという。

 相談件数の急増について宗石美佐副室長は「外でストレスを発散できる機会が減り、家庭がはけ口になっているのではないか」と指摘。新型コロナによる外出自粛や雇用情勢の悪化などが影響している可能性があるとする。

 夫婦間のDVの場合は、心ない言葉のやり取りによるすれ違いや、育児方針を巡る意見対立が発端となり、それを見た子どもに不安や恐怖を与え、「心理的虐待」につながる危険性もあるという。

 宗石副室長は「家族だからといって何を言ってもいいということはない。暴言や暴力ではなく、言葉を工夫することで相手への伝わり方は変わる」と強調。被害者には、出産や育児を機に離職した女性や、経済的に立場の弱い非正規雇用の女性が多い点も挙げ、女性が活躍できる社会環境の早期整備の必要性も訴える。

 悩みを抱える人たちに「誰かに相談をすることで気持ちが整理され、一歩先に進むことができる。1人で抱え込まずに相談機関を活用して」と呼び掛ける。

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