Free三内丸山遺跡で企画展「イミテーション・ワールド」 “模倣”の精神世界

手前は注ぎ口が付いた片口形土器と、そのミニチュア土器
手前は注ぎ口が付いた片口形土器と、そのミニチュア土器

世界文化遺産登録を目指す「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ、青森市の三内丸山遺跡で、縄文人の「まねる」という行為に注目した企画展「イミテーション・ワールド」が開かれている。同遺跡の出土品のうち、実用品の土器を模して作られたミニチュア土器など計163点を展示。縄文時代の人々のイミテーション(模倣、まね)を通して、当時の人の精神世界をうかがい知ることができる。5月末まで。

 展示では、出土品に見られる模倣の例を▽大小の関係▽模写・借用―など四つのテーマで紹介している。

 ミニチュア土器は同遺跡から約2千点出土しており、実用品の10分の1のサイズのものもある。大半は祭祀(さいし)の場とされる「盛土」から見つかっており、当時の儀礼などで使用されていたと考えられている。

 模写・借用のテーマでは、初公開となるクマやイノシシの牙で作った装飾品を紹介。展示を担当した同遺跡センター文化財保護主査の髙橋哲さんによると、力強い動物の一部を身に付けることで、その力を借りるという意味があったとされる。

 髙橋さんは「まねる、学ぶ、という行為は現代にも通じるもの。模倣の意味を考えるきっかけになれば」と話している。会期中の休館日は毎月第4月曜日。同遺跡センターの入館料で観覧できる。

 
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