Free“最後の大舞台”で練習の成果存分に 田子高郷土芸能部が演技収録

収録で練習の成果を発揮する青森県立田子高郷土芸能部の部員たち=26日午後、田子町のタプコピアンプラザ
収録で練習の成果を発揮する青森県立田子高郷土芸能部の部員たち=26日午後、田子町のタプコピアンプラザ

2021年度末の閉校が決まっている青森県立田子高の郷土芸能部が26日、田子町内で演技の収録に臨んだ。演技は本来、8月に高知県で開かれる全国高校総合文化祭で披露するはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大で舞台公演は中止。審査もなくなり、収録した映像を提出するだけに簡略化された。部にとって事実上、最後の全国高総文祭での公演機会が消滅。部員はその悔しさを抱えつつも、カメラの前で練習の成果を存分に出し切った。
 同部は県無形文化財「田子神楽」や周辺地域に伝わる盆踊り「ナニャドヤラ」を継承。全国高総文祭には毎年のように出場しており、過去には日本一に輝いた実績も。今回は通算10度目の“出場”だ。
 しかし、同高は入学者数の減少で21年度末の閉校が決定。20年度の全校生徒は2年生9人、3年生11人の計20人。21年度は演目に必要な人数を確保できない。
 練習の後の円陣の合言葉は「取るぞ日本一」。先輩の思いも受け継ぎ、難易度の高い「鶏舞」、お盆を手に激しく動く「盆舞」など5演目の完成度を高めてきた。
 そんな折、コロナにより大会の簡略化が決定。落胆する生徒たちを、顧問の伊藤慎教諭(62)は「自分たちの演技を世界中の人に見てもらえるチャンスだ」と励ました。収録した映像は動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」で公開されるため、生徒は「出場校の中で一番多く見てもらえる演技をしよう」と前向きに取り組んできた。
 タプコピアンプラザで行われた収録では、保護者や関係者約50人が見守る中、13分の演技を3回実施。盆踊りは笑顔で楽しそうに、盆舞では真剣で切れのある動きを見せた。
 演技終了後、部員はステージ上に整列。部長の大向沙紀さん(17)は「新型ウイルスの影響で全国大会には行けなくなったが、この場で田子高郷土芸能部として踊りきることができた」と声を詰まらせながらあいさつ。保護者や関係者のこれまでの支えに全員で謝意を示した。
 同部を立ち上げ、20年に渡って指導してきた伊藤教諭は、コロナ禍で活動を続けてきた部員たちを「十分、精いっぱいやってくれた」とねぎらった。
 収録後、大向さんは「少ない人数でも、一生懸命頑張ればこれだけのことができることを見てほしい」とアピールした。演技の映像は7月31日にユーチューブ上で公開される予定。