Free高級ホテルの茶室に匠の技 青森県産木材を豊富に使用/大山建工(五戸町)

茶室の「小間」の周りには石庭が広がる(大山建工提供)
茶室の「小間」の周りには石庭が広がる(大山建工提供)

五戸町の建設業「大山建工」(大山慎司社長)が青森県産木材を活用し、北海道の新千歳空港に誕生した高級ホテル内にある茶室施設の建築を手掛けた。20~30代の若手職人が主体となり、数寄屋造りの高度な技法を随所に施している。ホテルは国際線旅客ターミナルビルに直結し、インバウンド(訪日外国人客)を中心とした観光客がターゲット。日本の伝統文化を海外に発信する“世界の窓口”で、匠の技と県産材の魅力をアピールしている。
 ホテルは今年2月に開業した「ポルトムインターナショナル北海道」で、碧雲堂ホテル&リゾート(北海道千歳市)が運営する。茶室施設は4階フロアに位置し、全体の面積は約220平方メートル。新型コロナウイルスの影響で供用開始が遅れたが、「清風庵」の名称で6月にオープンした。
 大山建工は、ホテル内の店舗区画の設計、施工を担った「えんれいしゃ」(札幌市)の発注を受け、2018年秋から準備に着手。伝統的な茶室にふさわしい良質な木の調達を進めた。
 昨年8月からは、若手中心の職人約20人が現場に入り、茶室施設を構成する小間、広間、大広間、水屋、立礼席などを建てた。ビル内は日光が当たりにくいため、庭は石や岩を使用した「石庭」とし、今年3月に全体工事が完了した。
 丸太類は京都の北山産を用いているが、建具を含む大半の部材が県産材。クリやスギ、アカマツなどを適材適所で使い、地元が誇る“青森の木”で和の空間を造り出した。大山建工の大山重則会長は「全体のバランスも考えながら、木の正目と板目をうまく見せるように工夫した」と話す。
 同社は全国各地で県産材を使用した建築を手掛け、現在も神奈川県や福岡県で施工に当たっている。大山会長は「茶室の建築では若手職人が技術を磨き、経験を積むことができた」と語る。県産材も高評価を得ており、「地元の木の良さが再認識される契機になってほしい」と期待を寄せた。