Free【新型コロナ】授業の要点を動画で配布 臨時休校中の家庭学習を支援/六ケ所村立泊中

授業の動画を撮影する六ケ所村立泊中の教諭=4月下旬
授業の動画を撮影する六ケ所村立泊中の教諭=4月下旬

青森県内の多くの小中学校が臨時休校している中、六ケ所村立泊中(石川義也校長)は、授業の要点をまとめた動画を独自に制作し、生徒の家庭学習を支援する取り組みを行っている。動画は記録媒体を使って一人一人に配布。ポイントを絞っているため、利用した生徒たちからは、勉強の効率が上がると好評という。同校では、休校が今後も断続的に続くことも想定し、インターネット上の掲示板を活用した質問の受け付けなども検討する。
 村内では全ての公立小中学校が4月21日から5月6日まで休校中。動画の制作は同校の有志の教職員が提案したという。
 当初はオンラインでの授業なども検討したが、インターネット通信料など家庭の負担を考慮して断念。そこで、授業風景を撮影して記録媒体で配布することを決めた。発案した佐々木雅剛(まさたか)教諭は「教員として、やれることをやろうと考えた。生徒の勉強にプラスになればうれしい」と話す。
 動画制作は数学と英語の授業で実施。空き教室で撮影し、試行錯誤しながら、本来は1時限分の授業を5~15分程度にまとめている。この時期に行うはずの範囲やペースにも合わせており、学校再開後の学習に遅れが出ないように配慮する。
 4月24日から配布を開始し、登校日に合わせて新たな動画と差し替えている。試験的に動画を生徒に見せた際は「分かりやすい」など上々の評価だったという。
 動画に続いて検討しているのは、生徒と学校の双方向のやり取りだ。「動画配布だけでは、生徒の疑問に思ったことにすぐに答えられない」と佐々木教諭。そのため、今後の対策としてインターネット掲示板を開設し、質疑応答する場を設ける考えだ。
 石川校長は「先生方が自ら考えて行動してくれていることに感謝したい。新型コロナの影響で今後どうなるかは見通せないが、子どもたちにできる限りの教育の場を提供したい」と話している。
授業の動画を撮影する六ケ所村立泊中の教諭=4月下旬

 
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