Freeミンククジラ水揚げ、今季初 八戸港で2年ぶり

捕鯨船からクレーンでトラックに移されるミンククジラ=9日、八戸港
青森県の太平洋沖で行われている商業捕鯨で、外房捕鯨(千葉県南房総市)と太地町漁協(和歌山県)の共同操業による捕鯨船団が9日、八戸港にミンククジラ1頭を今季初めて水揚げした。昨季は八戸沖での漁獲がなく、同港への水揚げは2年ぶり。今季はしけの影響で出足が鈍かっただけに、船団はこれから漁が上向くことを期待している。
船団は例年、八戸港と大畑港(むつ市)の2拠点体制で操業。今季は今月1日から大畑港を拠点に漁を開始したが、しけで休漁が続き、8日から八戸港に拠点を移して操業していた。
船団によると、水揚げされたのは体長約7・7メートル、重さ約3・5トンの雄。太地町漁協所属の小型捕鯨船「第7勝丸」が9日午後0時10分ごろ、八戸港から北北東52キロの海域で捕獲した。
同船は午後4時半すぎ、八戸市第1魚市場前の岸壁に着岸。船上のクジラはクレーンでトラックに載せられ、近くの鯨体処理場に運ばれた。関係者が生命への感謝を込めてお神酒をささげた後、解体作業を行った。鯨肉は12日に八戸市魚市場へ上場される見込み。
船団にとっては青森県沖で今季初の漁獲。太地町漁協の東欣哉業務部長は「捕獲できてほっとしている。新鮮でおいしいクジラを青森県の多くの方々に食べてもらいたい」と語った。
外房捕鯨鮎川事業所の大壁孝之所長は「八戸沖ではクジラの発見数が多い。気温や水温が上がれば、捕獲がより期待できるのではないか」との見方を示した。
青森県沖での商業捕鯨では、今回が今季2頭目の漁獲。1頭目のミンククジラは、鮎川捕鯨(宮城県石巻市)が6日に大畑港へ水揚げしている。クジラ漁は6月末まで行われる予定。