Freeソメイヨシノ なぜピンク? 弘前大研究グループ解明

青と赤の光を照射したソメイヨシノ。きれいなピンクに色づく(荒川修教授提供)
青と赤の光を照射したソメイヨシノ。きれいなピンクに色づく(荒川修教授提供)

春になると、美しいピンク色の花を咲かせるソメイヨシノだが、これまで花が色づく仕組みや条件は詳しく分かっていなかった。弘前大農学生命科学部の荒川修教授(63)らの研究グループは弘前公園(弘前市)の桜の枝を用いて実験を重ね、赤と青の光を当てることで鮮やかなピンクに色づくことを解明。その論文は昨年12月、国際園芸学会誌の電子版に掲載された。仕組みを応用すれば、室内でもきれいな色のソメイヨシノを咲かせることができるという。
 桜は人間にとっての目のような働きをする物質「受容体」で光を感知して色素アントシアニンを生成することにより、花びらがピンクに色づく。太陽の光には目には見えないさまざまな色が含まれており、発色の条件となる光の色や波長は品種によって異なる。
 荒川教授によると、ソメイヨシノを屋内で栽培した場合、花はピンクにならず白くなってしまう。リンゴが赤く色づく仕組みなどを研究していた荒川教授は2016年ごろから、大学の学生らと協力してソメイヨシノの発色に関する実験を開始した。
 実験には、2月ごろに剪定(せんてい)した桜の枝を使用。開き始めたつぼみに波長の異なる青、赤の光を当て、それぞれの花びらに含まれるアントシアニンの濃度を測定。その結果、花びらは青い光で色づくこと、赤い光のみでは色づかないが、赤と青の光を組み合わせるとより発色が良くなることを発見した。
 「赤と青を組み合わせたときにアントシアニンが増えるのは特異的な仕組み」(荒川教授)。今後は結果を応用し、より大きい花や枝に光を当てる方法や、青い光を安全に使う方法などを研究するという。
 荒川教授は「花が色づく仕組みに遺伝子がどう関係しているのか、より深い部分を追究していきたい」と話している。
 論文が掲載された学会誌は「Scientia Horticulturae」。