Free絶景「山奥レストラン」開店 郷土料理と地酒満喫 三戸・日影地区住民企画

参加者が絶景と郷土料理、地酒を楽しんだ「月夜のディナー」
参加者が絶景と郷土料理、地酒を楽しんだ「月夜のディナー」

“山奥レストラン”開店―。三戸町斗内日影の地区住民らが14日、青森・岩手県境付近山麓の特別会場で、夕食会企画「月夜のディナー」を開催した。宮城県や東京、大阪から参加した約10人が、三戸・田子の山間部を一望する絶景を眺めながら、郷土料理と地酒のマリアージュを楽しんだ。

 日影地区は国道104号沿いの町斗内荒巻地区からさらに車で10数分かかり、付近には人家がほとんどないへき地。「何もない」がゆえの素晴らしい眺望を都会からの誘客に生かそうと、地元の農家、日影順子さん(72)が実行委員会を組織した。

 町内や八戸市内で農家や会社員として働く親戚が協力して、所有している牧草地を切り開いて整地し、夕食会場を整えた。

 テスト開催を経て初の本格開催となった今回は、三戸町の補助金を活用した。井戸水を確保し、炭火を使ったドラム缶コンロやオーブンを製作。保健所の営業許可なども取得して態勢を整備した。県外からの参加者は、親戚の知人関係から集めた。

 会場を訪れた参加者は、眼前に広がる絶景に脱帽した様子。ウェルカムドリンクのシャンパンを飲んだ後で八戸産のクラフトビールで乾杯した。

 テーブルにはナス焼き、ピーマンとみがきニシンのあえ物、イカとサトイモの煮付け、肉巻きごはんなどの郷土料理と、八戸の地酒が並んだ。

 「あおもりの地酒アンバサダー」として活動している八戸市の川畑紘奈さん(32)が、地酒の特長を説明。三味線の演奏も披露され、参加者は五感で南部地方の文化を満喫した。

 宮城県大崎市から参加した東海林愛美さん(33)は、「こんな大自然を眺めながらお酒と食事を楽しめるなんて最高の気分。次回もぜひ参加したい」とうれしそうに話した。

 次回開催は未定だが、企画全体をプロデュースしたグラフィックデザイナーの高橋雄一郎さん(44)=大崎市在住=は、「首都圏IT企業のワーケーション誘致につなげて、月夜のディナーを、三戸ファンを増やす起爆剤に発展させたい」と意気込みを見せた。   

 
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