Free表現力豊かな奏で、聴衆うっとり 八戸ジュニア・オーケストラ定演
八戸市内の中高生で構成する、八戸ジュニア・オーケストラの第33回定期演奏会が8日、市公会堂で開催された。音楽監督の松井慶太さん(同市出身)の指揮の下、現役団員やOB・OGら60人が楽しみながら表現力豊かに演奏した。
トヨタ自動車の共催で、全国で1872回を数える「トヨタコミュニティコンサート」としても実施。前半の「オーケストラを体験しよう」のコーナーでは、部活動や個人で演奏している市内外の児童生徒12人と共演。ケテルビーの情景的間奏曲「ペルシャの市場にて」などを奏でた。
今回は創立35周年を記念し、ピアニスト岡田奏さんとの共演を企画していたが、3日前に諸事情により急きょ佐藤卓史さんに変更になった。ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」、チャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」などで、本番直前のハプニングを感じさせない、息の合った演奏を披露し、約640人の聴衆を魅了した。
コンサートミストレスを務めた、仙台育英学園高広域通信制課程ILC青森3年の西野智美さん(18)は「一度演奏したかったピアノコンチェルトが実現でき、演奏中も感極まってしまった」と満ち足りた表情。青森県立八戸北高3年の佐々木悠吏(ゆうり)さん(18)は「受験もあり、練習と両立するのは大変だった。出演も迷ったが、弾きたいという自分の意志を貫けた」と語った。
松井さんは「急な変更にも、子どもたちはよく乗り切ってくれた。周りに仲間がいることを理解して練習すれば、演奏に相乗効果が生まれると伝えてきたが、それを実現できた」と演奏者たちを褒めたたえた。