Freeそばやカレー、地元食材ふんだん 「食事処かつら庵」17日新装開店/二戸

十割そばやカレーなどを提供し、天台寺周辺の活性化に貢献したいと意気込む小軽米健太代表(左端)とスタッフ
十割そばやカレーなどを提供し、天台寺周辺の活性化に貢献したいと意気込む小軽米健太代表(左端)とスタッフ

二戸市浄法寺町の天台寺周辺にある飲食店「かつら庵」が17日、十割そばや地元特産の食材を取り入れたカレーなどを提供する「お食事処 かつら庵」としてリニューアルオープンする。施設は調理スタッフの不足により昨年度から休業していたが、同市の就労継続支援B型事業所「Potora Garden(ポトラガーデン)」が調理部門の委託を受け、観光客や市民に愛される店を目指す。

 かつら庵は市所有の施設で、1997年にオープンし、第三セクターの「市ふるさと振興」がそば処(2021年度は甘味処)として運営。しかし、人手不足により22年度は週末と祝日のみの営業で、23年度は休業していた。

 店の苦境を知った同事業所代表の小軽米健太さん(42)は、「観光スポットの天台寺周辺のにぎわい創出に、飲食店は欠かせない」との思いで、三セクから調理部門の委託を受けることを決意。事業所の職員3人を店のスタッフとし、製麺機も新たに導入した。営業期間はこれまでの4~11月から、通年に拡大する。

 店長で調理を担当する橋本勝也さん(33)が、メニューを考案。しっかりとした風味で、のどごしの良い「十割そば」(税込み880円)が自慢だ。地元で生産されたリンゴやニンジン、米を使った優しい味わいの「かつら庵カレー」(同)や、佐助豚の角煮丼(1280円)もお薦め。

 営業はランチが午前11時~午後3時。カフェタイムが午後2時半~5時で、提供されるブレンドコーヒーは、漆搔(か)き職人としてコーヒーと漆器の魅力発信に努める金山昌央さん(28)=愛知県出身=が焙煎(ばいせん)する。

 寺では20年に、約360年ぶりとなる大修理事業が完了。市は本年度、文化財収蔵庫の改修など寺周辺エリアの環境改善に力を入れる。観光誘客の好機に、小軽米代表は「寺を訪れた方がゆっくりと滞在できるような店として、一役買いたい」と力を込める。

 12日は市職員や地域関係者を招き、試食会を行った。出席した藤原淳市長は「地元の事業所の協力で、寺周辺の活性化に弾みがつくのは心強い」と感謝した。

 かつら庵は火曜定休。問い合わせは同店=電話0195(38)2125=へ。

 
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