Free【みちのく生き物観察記】ヒメギフチョウ

カタクリの蜜を吸うヒメギフチョウ=久慈市、2022年4月
カタクリの蜜を吸うヒメギフチョウ=久慈市、2022年4月

春の妖精という呼び名がぴったりなヒメギフチョウ。北海道から本州中部まで分布する5センチほどの小型のアゲハ蝶の仲間。スプリングエフェメラル(春のはかないもの)と呼ばれるカタクリなどの植物が山野に咲くわずかな時期に1年に1度、奇跡のように現れる。

 カタクリやスミレの蜜を吸い、早春の山野を飛び回る。芽吹いたばかりのウスバサイシンの葉に、真珠のような白く輝く小さな卵を産み付けると、その一生を終える。まさにはかない春の妖精だ。

 北奥羽では久慈市、田子町などに生息。八甲田山系の一部にも現れる。西日本には近似種のギフチョウが分布する。観察には山間のカタクリなどが咲く場所が目安だが、生息場所は限られているようだ。

 
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