Free認知症対策の寸劇に評価 「恵生会」に衛生教育奨励賞/南部町

受賞記念公演での「お金が出せない」の一幕

寸劇で認知症の症状や対応の普及啓発に貢献したとして、南部町の社会福祉法人恵生会(工藤恵一理事長)が、日本公衆衛生協会の衛生教育奨励賞を受賞した。職員は「認知症になっても当たり前に生活できる地域づくりに向け、これからも活動を続けたい」と意欲を新たにした。

 介護福祉士などの資格を持つ職員有志が2017年「劇団あったりめえ」を立ち上げ、町内の施設や学校で南部弁やユーモアを交えた上演を続ける。物忘れや身だしなみに無頓着になるといった症例を伝え、より良い支援を考える機会を創出している。

 メンバーは「笑ってもらえるのがやりがい」と語り、子どもが楽しみながら学んでいることを喜んでいる。介護を振り返った大人からも多様な意見が寄せられるという。

寸劇での認知症の症状や対応の啓発活動の功績が認められた恵生会「劇団あったりめえ」のメンバーら

13日は町役場で賞状伝達式が開かれ、工藤祐直町長が団員に賞状を手渡した。東久子さんは「積み重ねてきたことが認められありがたい。認知症は、家族だけでなく地域の見守りが大切だと広めていきたい」と抱負を語った。

 26日は、町立町民ホール楽楽ホールで受賞記念公演が行われ、福祉関係者ら約60人を前に「お金が出せない」「虫が出た」を熱演。買い物に訪れた動作が緩慢な女性が小銭を多く出そうとしているときの支援や、幻視が見える家族への声がけの一例を見せた。観客は笑い、うなずきながら舞台に見入り、大きな拍手を送った。

 
お気に入り登録