Free9年ぶり5万本割れ コンテナ取扱量4万1千本 八戸港23年

八戸港のコンテナ貨物取扱量の推移
八戸港のコンテナ貨物取扱量の推移

青森県八戸港管理所は15日、2023年の八戸港のコンテナ貨物取扱量(速報値)を公表した。輸出・移出と輸入・移入を合わせた年間取扱量(20フィート換算、空コンテナを含む)は4万1037本で、12年の水準に落ち込んだ。22年(確報値)比では20・3%減となり、同年まで8年連続で維持していた5万本台を割った。

 輸出・移出は21・2%減の2万446本。フェロニッケルなどの鉄鋼の減少幅が最も大きく73・7%減。水産品は中国の禁輸措置が影響して49・4%減、精密機械部品などの産業機械は40・9%減だった。紙・パルプは0・7%増と横ばいで、化学肥料は83・7%増だった。

 輸入・移入は19・3%減の2万591本。太陽光発電関連部材などの金属製品が63・4%減、動植物性製造飼肥料が27・8%減、住宅資材などの木製品が10・9%減。染料・塗料・合成樹脂・その他化学工業品は29・5%増、非金属鉱物は13・1%増などだった。

 八戸港に寄港している外航の韓国航路、中国・韓国航路、内航の国際フィーダー航路はいずれも14・4~16・3%減少しており、全体では15・6%減だった。

 20年に新型コロナウイルスで落ち込んだ取扱量は21年に回復したものの、22、23年と減少が続いている。

 担当者は「円安や中国、韓国の経済状況に左右されている。来年も他国の状況次第だろう」と分析した。

 一方、八戸港で取り扱う貨物全体を見ると、RORO船の増便もあり、5~7%の落ち込みにとどまっているという。県は24年度、物流基盤の強化に向けた取り組みを実施する方針で、海運活用の検討を広く働きかけることとしている。

 
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