Free最先端に触れ、学びの意欲深める 米家電見本市に派遣、学生報告会/八戸

CESで触れた先端技術について報告する新田彩奈さん
CESで触れた先端技術について報告する新田彩奈さん

民間IT事業者が主体となり、米ラスベガスで開かれる世界最大級の家電IT見本市「CES」に地元の学生を派遣するプロジェクトの報告会が9日、八戸市番町のコワーキングカフェ「エスタシオン」で開かれた。派遣された学生2人は、世界最先端のテクノロジーやトレンドに触れたことで、「新しい研究に挑戦する意欲が湧いた」「学生のうちに海外経験ができて良かった」と、学びの意欲をさらに深めた様子だ。

 企画したのは、IT企業「ヘプタゴン」(三沢市)の立花拓也代表(39)と「アイティコワーク」(八戸市)の岡本信也取締役(45)。現地で学んだ最先端技術を地元に還元し、将来的に地域の課題解決を担う人材を育てるのが狙いだ。

 2019、20年もCESに学生を2人ずつ派遣していたが、コロナ禍での中断を経て、今回4年ぶりに再開。2人分の旅費は、企画に賛同したサポーター企業14社が5万円ずつ資金を出し合って賄った。

 渡米したのは、レポートや面接により選抜された八戸工大工学部システム情報工学科4年の瓜田壮一郎さん(22)=中泊町出身=と、八戸高専専攻科電気情報システム工学コース1年の新田彩奈さん(21)=洋野町出身=。現地時間1月10~12の3日間、世界各国から約4200社が出展したCESを見学した。

 サポーター企業はIT以外にも介護、医療、建設、農業と多岐にわたり、2人は各企業から要望された分野の最新技術についても出展ブースを巡って調査した。後日、各社にはリポートを提出するという。

 報告会では、2人がそれぞれ興味を持った技術などについて紹介。瓜田さんは「高齢者向け製品はCES側が力を入れている印象だった。誰もやったことがない新しいことに挑戦する意欲につながった」、新田さんは「海外は産学連携で高等教育機関が実践的な研究をしている。人に優しいテクノロジーが多く、自分の研究に取り入れたい」と発表していた。

 いずれも初めての海外経験で刺激を受けたという。瓜田さんは「良い意味で海外へのハードルが下がった。もっとコミュニケーションが取れるよう英語の勉強を続ける」、新田さんは「金銭的に諦めていたが、学生のうちに海外経験ができて良かった。英語にも少し自信がつき、伝えようとする気持ちが大事だと気付けた」と話していた。

 IT事業者が主体となり、学生を海外に派遣するプロジェクトは全国的にも珍しいという。プロジェクトは来年も実施する予定だ。

 
お気に入り登録