天鐘(3月9日)

ことし没後10年になる詩人の吉野弘さんは『祝婚歌』など平易な言葉で人間の温かみを描く一方で、漢字を見つめ、その成り立ちからイメージする作品を幾つも残した▼『漢字喜遊曲』と題する詩の中に、心に染み入る一節がある。〈母は/舟の一族だろうか。ここ.....
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