Free【北奥羽の地名】新井田(にいだ、八戸市)/「開墾地」ではなく荒地

北奥羽の地名
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八戸市の新井田地区は、湊町や湊高台、十日市などに接し、東西南北約2キロ以上と広い。ランニングコースとなっている新井田川下流に沿っているほか、隣接する新井田西地区にはテニスコートなどで親しまれる新井田公園もあり多くの人が訪れる。

 「新編八戸市史地誌編」などによると、地名の由来は、一般的に思い浮かべられる「新田の開墾地」の意味ではない―というのが有力。当時、大部分は低湿の荒地や谷地であったとみられるからだ。

 由来はアイヌ語で荒地や谷地を表す「ニタツ」「ニタ」が転化し、「ニイダ」になったと思われる。初めは「新田」と書いて「にいだ」と読んでいたが、後に新と田の間に井を入れて新井田と表すようになったようだ。

 市立大館中の元校長上田三蔵さんは「当時、武将新田義貞が有名で、違いを分かりやすくするために、『井』を入れたという説もある」と語る。
 
 対泉院などの資料から江戸時代は新井田と新田の両方を使っていたが、明治時代には新井田に統一されたとの見方もできるという。

 
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