Free【北奥羽の地名】戸鎖(とくさり、六ケ所村)/古語、平安武将に関連か

北奥羽の地名
北奥羽の地名

六ケ所村最大の沼・鷹架沼の南西部にある集落。一帯は「戸鎖」と呼ばれ、地元ではソバの産地として知られる。住所としては残っていないが、村では今も大字鷹架の内、後川目、内子内、久保ノ内の三つの字をまとめた地区の名称として使っている。

 1997年発行の「六ケ所村史」は地名の由来について、三つの説を挙げる。一つ目はアイヌ語に由来するもので、村「尾駮の牧」歴史研究会の鈴木浩さんは似た主張を展開。「『(川が)蛇行してできた沼』を意味する平安時代の古語『トキサル』が変化したのでは」とし、久慈市山根町にある戸鎖、宮古市の田鎖という地名も川辺に存在していることを根拠に挙げている。

 二つ目は、前九年の役で敗れた安倍貞任一族に由来する説。一族が逃げる際、近隣の集落の戸を外し、鎖でつないで沼を渡ったことから、その名が付いたとする。地区北東の戸鎖八幡神宮は貞任を祭っているとも伝えられるとしている。

 三つ目は、戸鎖と尾駮の八幡神がけんかした伝説だ。

 
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