Free作品の感想、文字やイラストで自由に 十和田現美で筆談鑑賞会

筆談での作品鑑賞を楽しむ参加者
筆談での作品鑑賞を楽しむ参加者

十和田市現代美術館は14日、筆談による作品鑑賞会を開いた。参加者は鑑賞した作品の感想などを自由に紙に書き込み、文字やイラストを使った作品談議に花を咲かせた。

 同館の活動を手伝うボランティア、げんびサポーターによる鑑賞プログラム「げんびさんぽ」の一環。「耳の聞こえない鑑賞案内人」として関西、四国地方などで活動する小笠原新也さんをゲストに迎えた。

 鑑賞会には耳が不自由な人を含む約20人が参加。今回は、奈良美智さんの「夜露死苦ガール」、名和晃平さんの「PixCell―Deer#52」の常設2作品を鑑賞した。

 その後、各作品について気になったことや気付いたことを模造紙に書き込んだり、他者の書き込みについて自分の考えを書き添えたりし、文字を通じて活発に意見を交わした。

 普段はサポーターを務め、今回は一般参加者として臨んだ同市の会社員高田千尋さん(35)は、「一対一ではなく同時にいろんな意見が交わされるので自由さが広がった。声でのやりとりより、文字の方が感情がダイレクトに伝わる気がした」と話した。

 小笠原さんは「今までに行った筆談鑑賞の中で、最も書き込みが多く非常に豊かな内容だった。開拓者精神に富む十和田らしく、すぐに受容して積極的に取り組むサポーターや、現代美術館から新しい筆談鑑賞が生まれてくると信じている」とコメントした。

 
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