Free【八戸えんぶり】「見てくれ、地区の宝」 南部町・高瀬町内会組が初参加

八戸えんぶりに初参加した高瀬町内会えんぶり組。子どもたちも息の合った祝福舞を披露した=午前10時45分ごろ、八戸市十六日町
八戸えんぶりに初参加した高瀬町内会えんぶり組。子どもたちも息の合った祝福舞を披露した=午前10時45分ごろ、八戸市十六日町

俺たちの宝を見てくれ―。南部町高瀬地区の「高瀬町内会えんぶり組」が17日、「八戸えんぶり」の一斉摺(ず)りに初登場した。一度は途絶えた伝統を復活させ、試行錯誤しながら技術を磨いてきた一同は、普段以上の熱気に気押されながらも摺りや祝福舞を熱演し、沿道から盛大な拍手を浴びた。

 高瀬地区では人員不足の影響で、江戸時代から続くえんぶりが一時休止状態に。1980年代に復活した後は、町内の「南部地方えんぶり」に毎年参加する一方、八戸市の新組えんぶり組の所作に感銘を受け、手ほどきを受けるなどして存続を図ってきた。

 メンバーの仕事の都合で、平日開催が続いた八戸えんぶりへの参加は見送ってきたが、今回は土曜開幕のため参加を決意。親方の東憲志さん(64)は「子どもたちも例年の倍近い、10人ほどが参加してくれた」と好影響を実感する。

 この日は約30人がまつりんぐ広場に集結。十六日町の裏通りに陣取ると、摺りや祝福舞、太夫と子どもたちそろっての「田植え」も披露した。照れくさそうな子どもたちに「もっと元気よく!」と“気合”を掛けて、観衆の笑顔を誘う場面もあった。

 大福舞を演じた大久保凛さん(16)=八戸東高普通科1年=は「緊張こそしなかったが、観客の数が段違いで驚いた。みんな楽しむことができたし、自分たちの口上が独自のものだということも分かった」と、地元ならではの伝統に自信を深めた様子。

 東さんは「きょうの出来は50点くらい」と苦笑いしながら、「新たな節目になった。雰囲気に慣れて本領を見せたいので、温かく迎えてもらえれば」と来年以降の参加に意欲を見せた。

 
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