Free八戸えんぶりが開幕 4年ぶり通常開催

4年ぶりの通常開催となった八戸えんぶり。一斉摺りでは太夫が躍動感あふれる姿を見せた=17日、八戸市中心街
4年ぶりの通常開催となった八戸えんぶり。一斉摺りでは太夫が躍動感あふれる姿を見せた=17日、八戸市中心街

約800年とされる歴史を持つ国指定重要無形民俗文化財「八戸えんぶり」が17日、4日間の日程で幕を開けた。昨年は短縮されたえんぶり行列の経路が例年通りとなるなど、4年ぶりに新型コロナウイルス禍前の形で通常開催する。初日は34のえんぶり組が八戸市の長者山新羅神社で摺(す)りを奉納した後、中心街で圧巻の一斉摺りを披露。澄み渡る青空の下、勇壮な太夫が烏帽子(えぼし)を揺らして躍動し、魂を込めた摺りで北国に春を呼び込んだ。

 この日、八戸の最低気温は氷点下4・0度と冷え込んだが、主会場の中心街は前日に積もった雪もほとんど解け、日中は晴れ間が広がった。



 各えんぶり組は午前7時から、長者山新羅神社で奉納摺りに臨んだ。同10時に行列を成して鍛冶町を出発し、中心街に集結。のろしの合図で同10時40分に一斉摺りが始まると、太鼓や笛、手平鉦(てびらがね)が奏でる軽妙な音色が街に響き渡った。

 太夫は力強く烏帽子を振り、躍動感あふれる姿を見せた。化粧を施し、きらびやかな衣装に身を包んだ子どもたちは「松の舞」や「大黒舞」といった祝福芸を愛らしく舞い、会場に詰め掛けた観客を沸かせた。

 家族4人で訪れた八戸市の木村舞乃さん(35)は「にぎやかな行列に感動した。迫力ある舞で春の訪れを感じた」と話し、長男の琉生君(10)=市立鮫小4年=は「笛や太鼓の音がきれいなので、えんぶりは大好き」と笑顔を浮かべた。

 昨年は新型コロナ対策で開催を見送った長者山新羅神社での撮影会も再開。八戸地方えんぶり保存振興会によると、初日の入り込み客数は23万9千人で、昨年を6万4千人上回った。現在の集計方法となった2001年以降、初日としては過去最多だった。

 八戸えんぶりは20日まで。18日は八戸市内各地で、史跡根城えんぶり(会場・史跡根城の広場)、えんぶり公演(市公会堂)、お庭えんぶり(更上閣)、かがり火えんぶり(市庁前市民広場)などが行われる。

 
お気に入り登録