Free残された苦しみ、語れる場を 青森で自死遺族支援の研修会

自死遺族への寄り添い方などについて理解を深めた研修会
自死遺族への寄り添い方などについて理解を深めた研修会

青森県立精神保健福祉センターは13日、青森市で自死遺族支援研修会を開いた。支援団体や市町村の職員ら約40人が、自死遺族が抱える悩みや不安に寄り添い、安心して打ち明けられる場所づくりの必要性について理解を深めた。

 自死遺族の会「わかち合い・ひだまりサロン」(青森市)の田澤美和子代表が講演。父を自殺で亡くした後、周囲からの心ない言葉に苦しめられた経験を踏まえ、「遺族は『気づいてあげられなかった』という自責の念にとらわれ、さらに周囲から誹謗(ひぼう)や差別、偏見で目の前の人が信じられなくなる」と胸の内を明かした。

 その後、日本医療大の吉野淳一特任教授が、自死遺族の心理状況や援助について講演。自死遺族は「恥」や「自責」の思いが強く、発見したのが家族だった場合は特に最期の姿が脳裏によみがえる苦しみから、誰かに相談や援助を求めにくくなり、孤立する傾向がある―と解説した。

 近年は、つらい出来事を無理に忘れるのではなく、亡くなった人の思いと共に生きることが、人生を前進させる力になるという考え方で援助することが主流となっているという。吉野教授は「自死遺族には語れる場所が重要。どんな話でも真面目に聞いてくれる第三者の存在が大事だ」と強調した。

 
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